テレワークの常態化で、本人も気づきにくい「サイレントうつ」が深刻な問題になっている。オンラインファシリテーターの小澤美佳さんは「画面上では元気に見えるのに、メンタル不調に陥っているというケースもある。普段から『ストレスを逃がすこと』を意識してほしい」という――。

■コロナで発生している「非対面の恐怖」

テレワークを導入する企業は増えたものの、周囲にトラブルを相談することができずにメンタル不調に陥る社員が出てきた――そんな事例が聞こえてくるようになりました。こうしたメンタル不調に気づかずに放置していると、音信不通になるなど取り返しのつかないこともあります。

私が勤務するニットでは、33カ国に400名のメンバーがいますが、コミュニケーションはすべてオンラインです。通勤がないためオン・オフの切り替えが難しいといった仕事上の悩みや、雑談ができないことによるメンバー同士の人間関係の構築が難しいといった対人関係の悩みはコロナ禍以前から存在していたため、社内で問題解決に向き合ってきました。

そのため、テレワークで心身に支障をきたしやすい人の生活や働き方の傾向がわかってきました。そこで、非対面コミュニケーションから生じる心身の不調――「サイレントうつ」を回避する方法をお伝えしたいと思います。

■会社にも、自分にも、サイレントに進行する

サイレントうつ」は当社が企業への注意喚起のためにつくった造語で、医学的な病名ではありません。ただし、リモートワークによる社員のメンタル不調は、人事担当者の間で最近よく話題に上るテーマの一つです。

医師であり、産業医コンシェルジュを行うDr.健康経営の鈴木健太代表は「オフィスとは異なり、自宅など周囲に人が少ない状態でテレワークをしている人にサイレントうつは起こりがちです」と言います。

睡眠障害や慢性的な疲れといった身体的な問題が出ても気づきにくく、会社だけでなく自分自身でも「サイレント」で症状が悪化していくというわけです。また、外でリフレッシュできないことなども、サイレントうつを引き起こす要因の一つでしょう。

サイレントうつの予備軍について、鈴木代表は下記のような傾向があるといいます。

・真面目すぎる
・完璧主義
パソコン作業が多い仕事
・一人暮らしで人との会話が少ない
・趣味などの息抜きがない

オフィス勤務なら誰かが気づいてくれた不調でも、テレワークだと気づくのが難しくなります。特にテレワークテキストコミュニケーションメインになるため、相手からの発信がなければ心身の状態が分かりにくいということが多くあります。

■サイレントうつを防ぐストレスの逃がし方

では、どうしたらサイレントうつを予防できるのか。社内で試行錯誤した結果、最も良い予防策は「ストレスを逃がすこと」でした。

ニットで行っている施策を例に具体的なコミュニケーション方法をご紹介します。

(1)趣味や雑談など、仕事以外の息抜きができるオンラインの場をつくる

まず、オンラインで何でも話せる場をつくりました。そうした場は、一つや二つでは足りません。ニットではチャットルームを基点にした41個のオンラインコミュニティを設けています。そのうち、「業務に関するコミュニティ」と、「業務外に関するコミュニティ」にわけてはいますが、自分の趣味や興味のあるものに何個入っても構いません。

「業務外に関するコミュニティ」はプロの占い師がいる占いのコミュニティをはじめ、韓国沼と呼ばれる韓国ドラマK-POPが好きな人が集まるコミュニティキャンプ好きのコミュニティなど、多種多様です。ニット代表の秋沢崇夫も、キャンプコミュニティで自身のおすすめグッズを披露しているようです。

このようなコミュニティの場は、非対面コミュニケーションしかできないメンバーにとって、心理的安全性の確保につながります。

(2)節目でオンラインイベントを実施する

昨年は「ZOOM飲み」という言葉も世間で話題になりました。友達同士のオンライン飲み会も良いですが、部署ごと、あるいは全社規模でオンラインイベントを企画してみましょう。季節の節目で忘年会や打ち上げ・ランチ会など、過去にイベントを実施していたタイミングで構いません。

ストレス発散と同時に、会社とのつながりを感じてエンゲージメントが上がります。また、人事側でも社員の状況を定期的に見ることができるので、サイレントうつの予防につながります。

ニットではお花見など季節ごとにイベントを行ってきました。一番盛り上がるのは「オンライン忘年会」で、例年100人ほどが日本全国、世界各国から参加します。開催時間は午後9時。家庭のあるメンバー子どもの就寝時間や、海外在住者の時差を配慮して設定しています。ほかにも、ビンゴ大会やクイズ大会、絵しりとりなどまだ入社して間もない人でも楽しめるコンテンツにし、オンラインで完結する忘年会づくりをしています。

(3)困ったことがあったら相談できる窓口を用意する

テレワークだと後手になりがちですが、メンバーが何か困っていたらすぐに相談できる場をつくることはとても大切です。

ニットにはメンバーのケアや相談に乗ることがミッションの1つになっている「育成コーディネーター」がいます。特に、新入社員や部署に配属されたばかりでまだなじみがない人に対し、最低でも入社時に1on1、その後3カ月は毎月1回の1on1を実施しています。

入社時のように、相談する相手もいない状況でのテレワークは不安が大きいものです。相談する場をつくることは、メンバーの心理的安全性を確保することになり、「サイレントうつ」の防止につながります。それだけではなく、メンバーがのびのびと力を発揮できる環境へとつながります。業務で良いパフォーマンスを発揮するには、まずは心が健康でないといけません。

ストレスの原因が仕事量なのか、人間関係によるものかでも、ストレスのたまり方は違います。企業としても様々な施策を用意することが大切でしょう。

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小澤 美佳(こざわ・みか)
株式会社ニット 広報
2008年リクルート入社。10年間、HR一筋。中途採用領域の代理店営業、営業マネージャーを経て、リクナビ副編集長として数多くの大学で、キャリア・就職支援の講演を実施。採用、評価、育成、組織風土醸成など幅広くHR業務に従事。2018年中米ベリーズへ移住し、現地で観光業の会社を起業。2019年ニットに入社し、営業・広報・人事を経験後、現在はオンラインファシリテーターとして活動中。 オンラインでのセミナー講師やイベントのファシリテーターを多数実施。

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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/vejaa


(出典 news.nicovideo.jp)


<このニュースへのネットの反応>

鬱は病気じゃない。なまじ鬱を治せる治療薬が作れてしまったので、それを安く売って大量生産する為に、医師会や教授が口裏を合わせて、「頭の悪い官僚」を騙したり、グルになって、「病気じゃないのに病気認定させた」という事だ。 「新薬錬金術」と言うのだ。性同一性障害も「ホルモン剤市場」の為の開拓だ。


自己判断で早々に通院したり自己主張する元気のある奴は鬱じゃないから