サウジアラビアが砂漠のど真ん中に何やらどえらいものが建設されようとしている。
建設現場のドローン撮影が公開されたのだが、これは、長らくサウジアラビアが約束してきた未来のスマートメガシティ「ザ・ライン(The Line)」だ。
全長170kmの長く伸びた鏡張りのメガシティで、この中で900万人が最先端でありながら、100%再生可能エネルギーで稼働する、持続可能な生活を送れるようになっている。
「NEOM」と呼ばれるこのスマートシティ計画を統括するタレック・カドゥミ氏は、「現在の生活様式に革命を起こす人間の能力・技術・努力を世界に示すことでしょう」と語っている。
ドローン映像では、砂漠のど真ん中をトラックなどが往来し、ショベルカーが大地を切り拓いているらしき様子を確認できる。
Drone footage reveals The Line megacity under construction in Saudi Arabia
未来のスマートシティ「ザ・ライン」は、壮大なビジョンの下建設されており、完成すれば全長約170キロにも達するという。
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100%再生可能エネルギーで稼働し、そこで提供されるあらゆる商品とサービスにAIが関わっている。
また細長い都市と並行するように、高さ500メートル、幅200メートルの巨大な鏡の壁が建設されるという。
砂漠にはあまりにも異質すぎる建造物は、どこか蜃気楼のようにも見えるかもしれない。
本当に実現したらどえらいこと
このプロジェクトが馬鹿げたものに思えたら、それはある意味正しいのかもしれない。
直線的な都市というアイデアは、そのほとんどが無名のまま消え去るか、大都市の郊外として残っているだけで、以前からあまり信用されていない。
またサウジアラビアの大型建設プロジェクトは、往々にして遅れがちだ。
たとえば、2014年に着工した首都リヤドでの公共交通プロジェクトは、大幅に遅延(最初は2019年、次に2021年、現在は2023年完成予定)している。
このプロジェクトは4兆円相当の予算が投じられたらしいが、NEOMの予算は75兆円相当と桁外れに大きい。
NEOMの責任者に独占インタビューを行ったDezeenでさえ、専門家は非現実的なプロジェクトと断じている。
ニューサウスウェールズ大学シドニー校のフィリップ・オールドフィールド氏は、「ユートピア的な発想は重要です。それは、環境破壊につながる従来の建築環境にこびりついた先入観に挑戦する力となります」と前向きに評価しつつ、「ですが持続可能性や居住性の議論は甘いでしょう」と述べる。
それでもプロジェクトが止まることはない。サウジアラビアの当局者は、NEOMプロジェクトによる立ち退きを拒否した3人の先住民に死刑を宣告したそうだ。
果たしてこのプロジェクトは完成するのか?完成予定は2030年だそうだ。
References:New Drone Footage Shows Saudi Arabia's Desert Megacity 'The Line' Under Construction / written by hiroching / edited by / parumo
(出典 news.nicovideo.jp)
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